かぐや姫の神話的解釈

「竹取物語」というのは、

竹から生まれたかぐや姫が、

美しく成長したものの、貴族たちの求婚をしりぞけ、

月に帰るというお話です。

現代国語の問題で少し出てきたので、

高校生の女の子たちに聞いたら、

みごとなまでに、その内容を知りませんでした。

しかし、日本最古の名作物語といわれながら、

幼児向け絵本か、古文でしかお目にかかる機会がないので、

そうした状況も仕方がないのかもしれません。

それにプラスして、内容が神話的なので、

本当のところ、とても理解がしにくいのではないでしょうか。

以下、わたしの解釈です。

竹=成長 を意味しています。 

いろいろな要素がありますが、基本的には、成長物語です。

求婚者に与えられたのは、話でしか聞いたことのない、
なぞの宝物を取ってくるという課題ですが、
実は、この課題は成長のための試練を象徴しています。
彼らは、貴族なので、政治家としての人間的素養を問われています。
石作皇子には、仏の御石の鉢=仏教的素養
車持皇子には、蓬莱の玉の枝=芸術的・神道的素養
右大臣阿倍御主人には、火鼠の裘(かわごろも)=ゆるぎない勇気 大納言大伴御行には、龍の首の珠=龍神(権力・金運)を動かすほどの志
中納言石上麻呂には、燕の子安貝=家庭を保つための安心の心

彼らは、成長のための試練を受けとめないばかりか、 あろうことか、ごまかそうとまでするので、 かぐや姫という究極の宝物を得ることができません。

月(精神性)に値するのは太陽(現実的な充足)。

かぐや姫に値するのは、この世の最高の栄華ですね。

けれども、太陽に相当する帝とは、手紙だけのお付き合いです。 月に帰るまで数年あるので、本当は帝も試されていたのでしょうか? 帝を何か教育していたのでしょうか?

この解釈が100%あっているかどうかはともかく、

感性で理解して、惹きつけられるというところが、

神話の神話たるゆえんです。

読書リストに加えておきたい物語です。

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