説明文を好きになるための正攻法

こんにちは。作文・読解プロコーチの直井明子です。

先日、海外で書かれた日本文化論の読みかけの本を持ち歩いていたら、ふだん説明文を苦手としている生徒さんが、食い入るように読んでいたので、意外に思ったことがありました。

菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力/アン アリスン
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「菊とポケモン」は翻訳タイトルで、有名なルース・ベネディクトの日本文化論「菊と刀」をもじったものです。日本のマンガやゲームなどのサブカルチャーが、なぜアメリカやヨーロッパなどで受け入れられて、影響力さえ持つようになったのかを、世界情勢や文化的な背景を解説しながら読み解いている本格的な文化論です。

ポケモンなどのサブカルチャーを扱っているので、ふだんゲームなどが好きだからという理由もあるのでしょうが、同じようにゲームが好きな子みんながこの本に食いつくわけではないので、そこにはその子の知の扉を開く何かの鍵があったと考えるのが妥当です。

受験に向けて読解を指導していると、ついついテキストが出題されるような内容に偏りますが、それは学校によって編集された価値観に基づくので、本当の意味で知的好奇心を刺激するものとは限らないのです。

上級の学校に進学しても、大人になってからも、自分の価値観に基づいて、知のフィールドを広げ続ける読書ができることこそ、読解の勉強をやっていることの真髄です。テストの点数を上げるだけではなく、こうした知の形成上の良い学習パターンを小学生のうちに実現することが、直井メソッド国語教室の原点です。

原点に戻ると、こうした自主的に精神性を築く読書は、生徒さん全員に実行してもらう必要性があります。また、そのための方法も、考えさせられた出来事でした。

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