センター現代文、最後の一厘(1)

こんにちは。直井メソッド国語教室の直井明子です。

センター試験の論説文を理解するための副読本として、こんな本を読んでもらっています。

はじめての現象学/竹田 青嗣

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センター試験の論説文は、芸術論であれ、文化論であれ、ベースにあるのが、現象学や構造主義といった現代哲学です。出題されているのは、日本人が書いた各論なのですが、直接、哲学に触れていない文だと、一見そのベースにある考え方が分かりにくくなっています。

マルクス主義、現象学、構造主義、ポスト構造主義など、出題されているジャンルは様々ですが、近代批判(ポストモダン)である点が共通しています。

私は学生時代に、現象学の本をいろいろ読みましたが、この分かり易さはイチ押しです。現象学だけでなく、周辺のポストモダンの思想についても触れています。本質的な議論を読んでいたほうが、センター試験に出題される論説文の思考過程のフレームがわかるので、理解が容易になるはずです。

ただ、受験が差し迫っている高3だと、この本の充実さ加減は、さすがに取っ付きにくそうです。倫理の授業で扱ってくれれば良さそうですが、倫理は時間数が少ないので、ポストモダンだけを詳しくやる余裕はなさそうですし、現代国語にいたっては、そもそも教科書が中心なので、こうした本質系のことが授業で取り上げられることはないのでしょう。

出題しているのは、文科省のはずなのですが…。

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