教育の賢い消費者とは?

中学受験で塾に通うとどのくらいの費用がかかるか、知っていますか?

塾の授業料は表向きリストになっていますが、学年が上がるごとに見えにくい形で値上がりし、季節講習なども含めると通算で200万円ぐらいかかります。他にも、肝心の学校に払う入学金や受験料、初年度設備費などもあるので、受験にかかる費用は、トータルではさらにはねがります。

200万円というと、国産の少し高級な車が買える値段です。普通は、高い買い物なので、きちんと仕様などを調べるのではないでしょうか。けれども通塾は、値段とその費用対効果がとても読みにくい教育投資です。通ってみるまでわからないのは、初めてのレストランで食事を頼むときと同じです。試食はできないので、基本的には「美味しそう」ということで、判断します。

そのリスクを回避するのが、口コミです。実際に食べて「美味しかった」という評判を聞いてから、自分も食べてみるわけです。塾のチラシはいろいろな業種の中でも特に反応率が悪く、実際には口コミで生徒さんが来るという場合がほとんどなのだそうです。

ところで、200万円をかけて、「買うもの」は何でしょうか。

学力向上すれば、それでよしですか?

学力向上の目安は、偏差値、問題が解けるようになること、

お子さんの成長する姿、それとも勉強時間ですか?

どこか希望の学校に合格することですか?

もし、合格しなくてもお金は帰ってきませんが、それでもOKですか?

「買うもの」が目に見えないだけに、自分で突き詰めなければ、「買うもの」は見えてきません。口コミは確かに大事ですが、それを聞いて判断するのは勉強する本人ですらなく、保護者なのです。ここがはっきりしていないと、何となく大手塾に在籍して、言われるままに講習を受けて、偏差値が届かないからと「志望校を変えるように」とまで言われます。○○校の合格を「買い」に来たのに、「あれれ?」なことが、しかも200万円と結構な労力と3年(小4~小6まで)という時間を費やして起きるのが中学受験です。

さらに追い打ちをかけるのが、塾の営利主義です。説明しているだけで考える力がつかない算数と国語の授業。やった端から忘れる理科と社会の授業。そして、成績が上がらないのは、プリントを出している塾の責任ではなく、大量のプリントがこなせない家庭の責任であり、問題ができないのは、不適切な問題を出しているからではなく、子どもの能力が足りないからだと自責(親責?)に向くように仕向けられます。成績が上がらないで、志望校の問題が解けないほど、長く通ってもらえてたくさん講習を取ってもらえる、つまり「儲かる」という構図があるからです。

「国語は短期では成績があがらない」(長期なら上がるの?)と説明され、肝心の過去問題は6年の1月(あの、試験の前月ですが?)になるまで手を付けるなとまで、指導?されます。志望校別コースだけは、特例なので、志望校別コースに志望者が殺到します。でもそのコースの選抜に使うのは、過去問題のそっくり問題で、つまり問題がもともと解ける子を選抜している…というおかしさに気付いた方が良いと、おせっかいな私などは考えてしまうのですが。

でも、負けが込んでくると、正当化する心理が働くので、変だと思いながらも抜けられなくなってきます。お子さんが私立中学3年に在学中のあるお母様は、「中学受験の時に、大手塾に通わないで、個別にして置けば良かったのよね。でも、塾にいいようにやられて、渦中ではわからなかったわ。」と、くやしそうに話されていました。

塾に通うことが、本当に勉強と受験に役立っているのか。もっと安くて、ストレスがなく、効率的な方法はないのかということを、冷静に判断する機会があっても良いのではないでしょうか。箱根峠を駅伝さながら苦しんで登るのではなく、ロマンスカーや自家用車に乗って行く方法だって見えてくるはずです。わたしも代わりの手段が提案できるように、準備を進めているところです。ニコニコ

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