科学の正しさ、文章の正しさ・・・

  ここで「地球温暖化」の例を出したのは、これが「実験ができない」の意味で、「科学」の範疇を超えているからです。100回の実験をやって、同じ結果が出るのが、科学の正しさです。しかし今、この時点で「二酸化炭素が増加している」現象と、「地球の平均気温が上昇している」現象が同時に生じているとは言えますが、それが100年後にも再現性があるのかと考えれば、それは100%検証ができないことだからです。 だからと言って、「地球温暖化」といった社会問題は存在しないわけではありません。それを文章にするのであれば、どうしても実証できない範囲で表現せざるを得ません。文章の論理は、どこまでいっても「正しいらしい」とする絶対的な正しさがない論理なのです。100%再現できない論理には、100%完全な正しさというのはないのです。 では、算数はどうして100%正しいと言えるのでしょうか。それは、数やそれを操作する概念が高度に抽象的で、もともとそうなるように考えられているからです。算数は人工的な一種の言語。同じように、コンピューターを操作する言語にもいろいろな種類があります。そして、どの言語をとっても、「同じデータを入れれば100%同じ結果が返ってくる」ように作られています。それは、人工的な言語だからできることなのです。 しかし、ふだん読んだり・書いたりしている文章は、自然発生した言語が元になっているので、算数とはまったく別の論理があるのです。それが言葉の「因果関係」という論理です。   自由が丘の塾 直井メソッド国語専門塾]]>

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