お子さんの国語のテストの点数を上げたいと思ったとき、
中学受験によく出題される本を、読めば良いのではというのは、
割とよくある発想です。
あわよくば、一度読んだことのある本から出題されれば、
試験が有利になるのではという打算も入っています。(笑)
けれども、そんな慣れは、読み方が違うので、ほとんど役に立ちません。
小説文の出題というのは、感情の流れを自分の心でトレースするのではなく、
感情の理由を探すのが目的だからです。
本当に試験に役に立つ読書というのは、
楽しめて、多岐のジャンルにわたる小説文を、大量に読むことです。
その理由は、
1.体験がないことでも、感情移入のシミュレーションができて、感情の襞(ひだ)が理解できるようになる。
(EQがあがるとでもいうのでしょうか。)
2.読む速度と、集中力が上がる。
(活字の処理能力が上がるということです。小説は楽しいので、たくさん読むことができます。)
ということです。
論理的な文章は、科学の読み物などのジャンルで、本人が楽しめるもの以外は、
それほど意識して読書メニューにする必要はありません。
論理的な文章は、構成を読み取れれば良いし、そのパターンは限られているので、
入試の過去問題を解くだけでも、かなり学習できるからです。
けれども、1.の感情の襞を読み取るようなことは、別の訓練になります。
実際の生活体験と、小説文の読書量との関係になります。
小説文で出題されるのは、底抜けに明るいものではなく(笑)
主にマイナスの状況から発生したマイナスの感情が入っている文なので、
体験できないことが多いです。
だからどちらが大事かというと、小説を読んだことが良いということになります。
小説文の読解練習もやっていますが、
EQ的な感情のシミュレーション能力が低い場合は、
本当に、登場人物の立場をシミュレーションしてもらって、感じてもらいます。
まあ、大体は、それでわかるのですが…
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