こんにちは。 【脳力さくぶん教室】の直井です。
国語力ピラミッドは、「作文を書く」というクリエイティブな作業の構成要素を表しています。
各層が「作文を書く」上で、どんな意味合いを持っているのか、説明しますね。
一番下の「生活体験」を第6層として、一番上の作文を第1層とし、
下から順番に説明していきます。
そもそも、人は同じ世界に住んでいるので、
誰もが同じ世界を経験しているという風に思いがちです。
けれども、作文を読んでみると、それがまったく違うということが、よくわかります。
それが、生活体験と呼んでいる基本となる認識の部分です。
生き物として人の行動をとらえると、
外の世界を認識するというのは、
情報を受け取って、外に出す行為
だと言い換えることができます。
_______ __________________
| 自分 | ===>| 外の世界 |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
という風に、視線によって、自分と外の世界が切り離されているのではなく、
_______________________
| 外の世界 |
| ____↓____↑___ |
|| 自分 | |
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
という風に、グルグルと絶えず情報のフィードバックが起きています。
外の世界全部を含めた部分が、その人の認識です。
同じ絵や音楽を見聞きしていても、
感動する人、どこがいいのかわからない人がいる
というのが良い例ですが、視聴覚情報としては、全く同じものを受け取っていても
情報の処理の仕方が、人によってまったく違うものが構築されているのです。
それを仮にフレーム(枠)と呼びます。
同じ絵を見ていても、感動できないという人は、
そもそも絵の情報を内面化して受け入れるためのフレームを持っていないのです。
そして、そのフレームもみんなが同じというわけではなく、
天才と言われるような画家であれば、
一般の愛好家とは全く違うレベルで、複雑で高度なフレームを構成しています。
それは、その人の絵に表現されいる芸術そのものと言い換えることができます。
同じように、作文には、その人がどんなフレームを持って、
世界を捉えているかということが、文章として現れてきます。
作文を書くことで、頭が良くなるとか、自信がつくとかいったメンタルな変化は、
自分の持っているフレームを文章という形で自覚することで、
よりよく発達させることができることに、由来しています。
第1層の「作文」のところに、「行動へのフィードバック」とあるのは、
そうした全人的で精神的な成長のことを意味しています。
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