13歳のハローワーク
(514種の職業を紹介した仕事の百科全書。ミリオンセラー。)
この本が初版で出たときには、
斬新な内容と、とても良いコンセプトに驚いたものでした。
公式ホームページもあります。
ただしこの13歳という年齢、
NLP(神経言語プログラミング)という心理学の観点からは、
少し遅い設定ではないかと思います。
モデリング期といって、
大人の行動を内面や外面から取り入れる時期が、
8~13歳です。
(このときに大人になるビジョンを獲得しないと、
次の機会は大人に近くなってからということになります。)
すると、この本の読者の設定である13歳というのは、
ちょうどモデリング期が終わるぎりぎりの1年ということになります。
もう一つ気になるのが、
職業として名称のあるものだけが取り入れられていて、
営業
人事
総務
企画
経理
…など、
サラリーマン社会でありがちな職業分類がない、
という点です。
職業としてはレアなものであっても、
興味がでそうなものが数多く取り入れられています。
モデリングのためというより、
社会勉強の入り口のようなコンセプトになるかもしれません。
少し学年が低い子が対象で、
職業分類ももう少し社会の現実に即した本というものもありますが、
モデリングを目的とした本は、見たことがありません。
これに対して、作文教室では、
まわりの大人の職業をインタビューする課題を出したり、
バーチャルであって仕事でなくてもいいので、
将来やりたいことを書く課題があります。
身の回りから情報を得たほうが、
モデリングになりやすいという面もあるからです。
保護者がサラリーマンであると、
お子さんが、実際に職場を目にする機会はほとんどありませんし、
あっても、その内容を理解することは困難です。
現代社会には、モデリングの障害があることを自覚して、
意識的に職業意識を身に付けさせることが、
家庭教育の一つのポイントだといえるのではないでしょうか。
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