もっとも困るのが、語彙の少なさです。
日本にいれば、耳に入るはずの何気ない言葉が、
知識として抜けおちているのです。
これをリカバリーするには、
語彙を増やすためのワークブックをやるのが
一番の近道です。
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それ以上に、厳しいものがあります。
バイリンガルに近い状態で過ごしていたとすれば、
現地語と日本語の他に、古代中国語も学習しているようなものなので
いたしかたないところがあります。
私は、大学で哲学を勉強していたときに、
英語とドイツ語の他に、ラテン語も学習しましたが
きっと、そんな感覚ではないかと思います。
漢字は、読み方さえわかれば、部首でおよその意味がわかるので、
漢字にルビのふってあるテキストを使うのがお勧めです。
間違って読んでいないか、
家族で日本語が得意な人に聞いてもらうようにと言っても
やはり、そこまで手がかけられないから、そうなっているのです。
辞書を引くのはもっと、大変です。
ルビというのは、強い味方になるものです。
しかし、ルビは読者の語彙を前提としているので、
一般書の文を出題している、中学受験の問題文では、
ルビの割合が少なすぎて、学習の負担が大きくなってしまいます。
その難点を補えるのが、四谷大塚の予習シリーズや演習問題集です。
これは、4年生のテキストなどでは、うるさいぐらいにルビがふってあり、
帰国生にとっては、日本語の学習のために、またとない教材となっているのです。
また、偏差値40ぐらいの学校の過去問題も、
比較的ルビの多いものがあります。
語彙が追いついていない状態で、入試演習に取り組む場合は、
無理をしないで、こうしたものを使うのがお勧めです。
国語の問題というのは、学校の偏差値によって、
合格者平均が上下するぐらいで、
学校間の偏差値10ぐらいの差であれば、
問題の難度自体に、それ程、差があるわけではないからです。
こうして、漢字の読みにかけるエネルギーを減らし、
語彙の習得と問題演習の一石二鳥を狙いながら
たくさんのルビ付き問題集をこなすことが
帰国生にとっては、一番、学習効率が良くなるのではと思っています。