文章の骨格がどのように成り立っているかを理解する前に、言葉そのものの概念がどのような仕組みで成り立っているのかを考えてみましょう。例として、「犬」という言葉について取り上げてみます。 犬にはダックスフントやチワワ、プードルなどのいろいろな犬種があります。それらはすべて、「犬」という動物の概念の中に含まれています。「犬」と聞いたときに、どんな犬を思い浮かべるかは人ぞれぞれですし、犬の絵的なイメージが浮かばない人も多いことでしょう。しかし、「ダックスフント」と聞いたら、どういう犬種かを知っている人は、その映像を思い浮かべることができます。単に「犬」というより、具体的なイメージを伴っているのが、犬種についての言葉です。 「ダックスフント」という言葉には、さらに具体的なイメージがあることがわかります。例えば、自分の家でダックスフントを飼っているAさんは、自分の家にいる「チビ」という名前の犬を思い浮かべることでしょう。また、散歩で出会うBさんの家の「ラッキー」や、となりの家のCさんが飼っている「モモ」も同じダックスフントだとします。 すると「チビ」はこの世界に一匹しかいないので、ダックスフントという言葉とは違い、これ以上のイメージは広がらないことがわかります。イメージもより具体的で、他のダックスフントとは区別できる特徴が数多くあり、名前も「Aさんの家のチビ」として識別すれば、ユニーク(唯一)なものだと考えることができます。 逆に「犬」のほかに「猫」や「ねずみ」などの言葉について考えてみれば、それはさらに抽象的な「動物」という言葉でくくれることがわかります。 こうして考えてみると、言葉の持っているイメージとは、まとめるイメージの数が増えるほどに漠然として実態のないものとなる。そして、時間や空間が特定される現実の中にあるものは一つしかなく、より具体的になることがわかります。この関係は「まとめる言葉」と「まとめられるもの」として、ツリー状の階層構造図(樹形図)でその関係を表すことができます。 自由が丘の塾 直井メソッド国語専門塾]]>