こんにちは。 国語力アップの直井です。
入試レベルの文章というのは、解答がどんなに難しくても、
実はそれ程難解ではないのですね。
なぜなら、設問ができて、それに対して一つの答えしかない
という設定になっているからです。
ある程度、論理でも、感情でも流れが決まっている。
ところが、
入試向けではない、塾専門の国語のテキストというのがあって、
その読解をやったらどうなるだろうか
と、他の先生とやりとりしていたのですが
超~むずかしい!(笑)
ことを発見しました。
文章の語彙などは、全然難しくない。
全体に格調高くて、じんわりとした感動が残る
生物学者が書いた「チーターについて」のルポです。
チーターを見ていると、悲しくなる。チーターは美しい。
その理由が、ずっと書いてあるけれど、全部間接的な描写なのです。
チーターは走るのは速いけれど、大きい獲物がとれない。
こどもにエサをやるために、やせこけてしまう。
しかもこどもの死亡率が高い。
スパイク代わりのつめが伸びているので、木から落ちてしまう。
オス・メスがいっしょに行動しない。
毛皮が美しいので、乱獲されて、絶滅の危機…
つまり、チーターは走ることに特化したために、
他のことがからっきりダメになった生き物。
走る瞬間の美しさのために、ほかのすべてが犠牲になり、
それゆえに、いつも死と背中合わせで、見ていると悲しくすらなる。
ということが、言いたいわけです。
結論を言わないで、場面描写によって、感情に訴える。
ある意味、高度な手法なのですが、
読解には使いたくない教材です。
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