こんにちは。 国語力アップの直井です。
ときどき、横浜の大倉山にある大倉山記念館の会議室を借りて仕事をしています。
このギリシャ神殿風の建物は、もとは精神文化研究所という名前で、
東洋大学の学長を務めた実業家の大倉邦彦氏が創建し、横浜市に寄贈されたもので、
昭和7年の建立という歴史的建造物です。
古代ギリシャ以前の“プレヘレニック様式”という世界的にも希少な建築様式で、
東洋の意匠も取り入れられ、独特の様式美を持つ建造物です。
駅から徒歩7分の小高い丘の頂上に位置するのですが、
松林と梅林、竹林(…まさに松竹梅)に囲まれたこの一角は、明らかに空気が変わります。
建物の中に入ると石の建造物のかもし出す雰囲気によって、
精神が研ぎ澄まされる感じになります。
そして、会議室の窓から眺める景色は、伸びやかな緑の公園であり、
ホールはやわらかい光につつまれた空間であり、
中庭の回廊は落ち着いた佇まいのロビーでありと、
多くの部屋が、心落ち着く気持ちの良い設計になっています。
1階の階段の下に、ひっそりと留魂礎碑が建てられています。
この建物を「精神文化」の研究と発達にささげようという
大倉邦彦氏の魂を留めるものなのだそうです。(お墓ではありません。)
実業家として成した財を注ぎ込んで、かもし出された空間。
これだけの想いを伝えるプレゼントに、自分はどのくらい応えられているのだろう
と、ときどき背筋の伸びる思いがします。
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