EQを高める読書

物語文の読解を指導していて、生徒さんが

あまり面白くなさそうだなぁ

という様子のときは、

イメージが浮かんでいないようです。

宮沢賢治の物語は、ファンタジーの美しさに溢れていますが、

それが、まったく映像としてイメージできないと、

意味がチンプンカンプンで、ストレスまで感じてしまうようです。

水の底で、蟹の子どもたちが、

水面を流れる泡を見て、

「クラムボンが笑ったよ」と会話します。

クラムボンと言う言葉には、

子蟹たちの初々しい感性や、ピュアな心情が反映されていて、

水底の描写を読むことで、水面を見上げている映像が見えてきます。

子蟹たちが、うきうきと笑いあう楽しい気持ちが伝わってきます。

息を呑むような美しさです。

こういう読み方ができるためには、

ベースになる経験が必要です。

美しい映像の映画やドキュメンタリーを見た経験や、

差し絵入りの、低学年向けの様々なジャンルの読み物を読んだ経験。

実際に美しい自然の中で、感動したことなど。

逆にこうした映像が見えていないと、

読めば読むほど、わからない

という胸中になっていきます。

もし、可能なら、

水中から海面を撮影した映像を見せたいところですが、

読解の指導だと、本人の共感のベースだけが頼りです。

名作でなくても良いので、

本屋さんで面白いと思う本を購入して、

どんどん読ませてくださいと

私が保護者の方にお願いする理由は、

こうした心躍る共感性の高い読書の経験を

たくさんしておいてもらいたいからです。

EQが高ければ、物語文の読解がラクになります。

なんて、ドン引くような

低EQの発言ですね。べーっだ!

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