「ストーリー作文」というメソッドで指導している芦永奈雄氏が
新刊を出されたというので、読んでみました。
既刊書とくらべ、内容的に大きく変わったところはないですが、
どこが自分の教育メソッドと違うのかと考え…
他者の評価を絶対として売上を追う「実業家」タイプと
未来を志向している「技術家」タイプの違いかなと
思うところがありました。
他者に読まれることを意識する文を書くというのは、
社会的なフェーズではもちろん必要とされるスキルです。
しかし、それ以前に、
自分の内面を文章化し、
思考を深め、自らの価値観を明らかにして
自分の立ち位置を決める
というのが、
多くの人にとって、本当に必要な技術ではないでしょうか。
価値観を明らかにしたり、立ち位置を決める
というのは、作文と読解を含めた総合的な国語力です。
自分の立ち位置がはっきりしないと
人生のどこかが空虚で
「成功」の基準を数字などの外的なものに求めるようになります。
それは、追っても追っても、キリがない。
追い続けているうちに、人生の終盤が来て
初めてその価値が相対的なものであったことに気づいても
なんだか虚しい気がするのです。
なので、
直井メソッド国語教室では、
コンクールへの参加を推奨していません。
速読や英語教育が母語の獲得に必ずしもプラスにならないように
コンクールの価値観に合わせた作文を書くことは
まだ、価値観の形成が未熟な子どもたちにとっては、
自分の価値観に向き合うことを阻害する恐れがあるからです。
その代わり、ホームページでの全員発表を復活させることにしました。
たとえ文章力の差があっても、それは自分の価値観という絶対評価で、
評価することができるからです。
文章力をきちんと向上させるための国語力アップの地道な取り組みも
カリキュラムに取り入れることができたからです。
ホームページのリニューアルをお楽しみに!
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