国語教室の門をたたくご家庭の中には、
お子さんが国語が苦手なためにいらっしゃる例もあるのですが、
その中には、
1.視聴覚・発達障害が原因の場合
2.母語が正常に形成されていない場合
というような
国語学習とは別の領域での問題を抱えている場合があります。
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人工知能の研究者である黒川さんは、
思考・感性の中心となる言葉(=母語)の学習臨界期を8歳と言っています。
その間、英語などの外国語がメインになるような特殊な環境にいると、
バイリンガルどころか、
どちらも中途半端なセミリンガルになり
正常な社会生活を送ることすら困難になってしまいます。
この時期、3年以上海外で過ごした場合は要注意です。
こうしたことへの対処の仕方は、専門家にお任せしないといけないので
わたしも問題を知っている必要を感じました。
認知心理学者の田中光子さんは、600例を調べた結果、
臨界期を13歳としています。
https://www.rakutendo.com/web-kawaraban/026.html
日本に滞在した英語圏のお子さんが、英語がおかしくなったので、
リハビリのために英語圏に戻して治した
というような体験談が載っています。
浴びるように母語だけを学習し続ければ、
元に戻ることがあるのですね。
臨界期の解釈に5年の幅があることは、少しホッとすることでした。
視聴覚の問題や、セミリンガルの問題に気付かないまま、
8歳以上の年代でいらっしゃる方もいるからです。
英語が大切だからと、バイリンガル教育を容認してしまう前に、
こうした危険があることが、本当に一般的には知られていません。
英語の先生などの中には、日本語がおかしいために、解雇される例なども見てきました。
セミリンガルになってしまう、つまり
思考できる言語体系をもてない人になってしまう
という恐るべき学習障害の実態は、
海外赴任する可能性のあるすべての人
つい英語学習などに夢中になってしまう保護者の方などもいる中、
実は、一般の人が知っておくべきことなのです。
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