最近、日本語教育と母語の形成についての話題が増えていますが、
ふと気付いたのは、母語の形成にもジャンルがあるという点です。
母語と言うのは、感情・感覚・思考などのすべての言語活動のベースです。
人としてあるための知性の根幹をなしています。
普段はあまりにも、空気のように母語で考えているので
母語の存在というのは、意識されることがありません。
なので、お子さんが国語が苦手だということに気づいても
そもそも言語として、母語をきちんと獲得していない
という状況には気付きにくいものなのです。
中学受験では、12歳までの大人が読むような論説文を読ませますが、
難しすぎるという弊害以上に、こうした説明的文章に慣れるというのは、
母語形成の臨界期13歳までに、必要なことではないでしょうか。
抽象的な言語に対する感覚も、一つの母語であることに、違いはないからです。
臨界期を過ぎても、もちろん難しい本は、読めるようにはなりますが、
いくらたくさん読んでも、あるレベル以上には到達できていないというのが、
そうした学習経歴がわかっている著者の文体から、推測することができます。
専門書をバリバリ読みこなせる読書力のベースを創り
将来、知的ジャンルで活躍する素地を創るためにも
小学生のうちに説明文になじんでおく
論理的に書いたり話せるようにする
というのは、重要なことではないでしょうか。
(国語学習に関してとても大事な着眼点なのですが、
ほとんど研究されていないジャンルでもあるので、
教育者としての経験からの着想です。)
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