こんにちは。作文・読解プロコーチの直井明子です。
インターネットで国語専門塾を調べてみると、首都圏で数ヶ所、大阪、名古屋などで一ヶ所が見つかりました。その多くが、大学受験予備校の先生が自宅で開業しているというものです。その有能な先生が一人で、生徒さん一人をみているので、一回の授業料が3万円、一か月だと12万円というのも、営業ベースで考えると採算的には妥当な金額です。
一方で、大手中学受験塾の授業内容は解説と演習中心で、生徒さんは読解法や基本的な問題の解法も教わっていないことが珍しくありません。
どうして教える方と教わるほうのこのような需給のギャップが生まれるのかというと、国語の先生というのは、もともと国語のセンスがあって国語をやっている場合が多く(英語の先生でもよくあるパターンですが)、国語の勉強で苦労していないために、センスがなかったり、これから伸びようとする生徒さんに教えるスキルがないことが多いのです。そもそも塾で国語を教えている先生の場合、国語科を大学で履修していない先生も、かなりの高率でいらっしゃいます。塾では算数や英語など、量的に勉強すれば成績が上がり易い教科が重視されているため、採用段階でこのような傾向になっているのでしょう。
そして、もうひとつ、国語の先生には国文科出身の先生が多いのですが、論理的な社会科学系の文章と文学とは別のジャンルになるので、こと受験国語の文章に関して言えば、専門外ということも多いのです。それに社会科学系の学部を卒業して、論理的な国語のリテラシーに熟達している人というのは、社会的に活躍する場が限りなく用意されているので、そもそも地味な仕事である先生になる確率というのは低いのです。
こうしたスキルというのは、国語の教員養成過程でも必要とされないことなので、致し方ない制度的な問題とも言えます。
今、ようやく国語専門塾を作ること、そして他の先生でも教えやすいカリキュラムを作ることに手をつけられるようになりました。日本語という複雑な言語と、これまでのいろいろな教育システムとの対峙でもあります。直井メソッド国語教室は、どこまで行けるでしょうか。
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