文章を書くときに必要な要素は、「発想力と構成力」です。文章を書くというと、内容を論理的に展開していくことに目がいってしまいがち。しかし実際には、文を書くのは言葉と文を組み合わせて、新しい意味を創造するクリエイティブな作業なのです。だから、発想力と構成力が問われるのです。「下手でも良い。“えっ、何だ?”の驚き。そして、素のままを出した淀みのないリズム。この2点が評価の基準」と大手新聞社の作文採点者は力説しています。 国語が他の教科と違う点は、自分で新しい文を作る。新しい価値のあるものを作り出すことです。第5層までは、本に書かれた文章や知識を受け身で吸収してきましたが、ここからはそれらを総動員。主体的に表出していかなくてはなりません。 発想力の練習として、小学生のうちからの利用を勧めたいのが、イメージの想起トレーニングです。私は作文を教える時、絵と文章の構成を一緒にしたテンプレートである「スターシート」を使ってもらいます。それは言わば、絵日記をメモにしたようなものです。 幼稚園や低学年のうちは、文章の練習としてよく絵日記を使います。それは単に絵を書くから楽しいというだけでなく、イメージ力が豊かな10歳ぐらいまでの発達段階に合った学習方法なのです。詳細は4章に譲りますが、言葉ひいては文章にはそれに付随するイメージがあり、筆者の頭の中にもそれがあります。文章はイメージを仲介し、映像化するための道具だと言い変えることもできます。 イメージのない文章は、その伝える内容が言葉の記号的な意味だけになってしまいます(無造作な携帯メールはその典型例)。イメージを言語化する練習を小学生のうちに積むことは、その想起力のマスターへ大変な無影響を与えます。論理力が勝る大人になってからも、発想力・創造力の豊かさをしっかり残すことにもつながります。 自由が丘の塾 直井メソッド国語専門塾]]>