国語力ピラミッドの頂点は作文です。国語の授業では作文の「書き方」をほとんど教えてもらえないので、誰もが苦労しがちな課題です。たまに先生から言われて書くだけなので、その重要性もあまり認識されることはありません。しかし、新しく増設されている公立中高一貫校の入学試験には作文が課されています。公立中高一貫校は公教育のエリート育成を目的としています。よって、作文が書けるのは、公的に大事なことと見なされているわけです。自分の意見を、説得力をもって文章に表現すること。これは、ますますグローバル化していくこれからの社会で、基本的なリテラシー(情報や知識の活用能力)と言っても良いことだからです。 ここでは「作文」として文章を対象としますが、広い意味ではコミュニケーションと考えることが可能。日記と違って、作文は誰かに読んでもらうのが前提だからです。文章に書けるということは、同じ内容を話せるのが前提です。国語力ピラミッドの頂点は内面化された自分の価値観を言語化し、誰かに伝えることができることを意味します。高い表見゛術に裏付けられた「理解→納得→合意・同意→行動」がこれからのコミュニケーションの勝ちパターン。自己実現には欠かせない流れの一つです。 「言語化」は単に「文章にする」だけではなく、自分の価値観をはっきりさせると行為です。作文を上手に書けるようになった子どもたちは、自信を持つようになり、顔つきもしっかりしてきます。今まで不得手だった発表もできるようになった話もしばしば聞きます。それは自分の考えを文章として、鏡のように確認することで「自分をしっかり確立」できるようになったからです。 言語はすべての精神的活動の基本なので、作文が上手に書けるようになることの精神に与えるプラス効果は、計り知れないものがあります。 自由が丘の塾 直井メソッド国語専門塾]]>