これは、「生き物を飼ったこと」という主題で作文を書くためのスターシートです。この方法で作文の練習を始めたばかりの、小学2年生のお子さんの作品例です。主題と何を書くかは決まっていますが、内容は人それぞれなので、オリジナルな作文を書くことができます。 このスターシートの右上の「いきものをかったこと」の枝では、作文の書き始めとして、生き物を飼った一つの体験を選んで説明。そして、「かっているきもち」では、「よかったこと」と「たいへんなこと」のストーリー。つまり、その時の気持ちを書くようになっています。「いきもののようす」は場面描写の練習、「いきものをかってみて」では、「おもったこと」とその「りゆう」で全体のまとめを書く練習をします。 「元気なかぶとくん」 わたしは、かぶと虫をかっています。五月のおわりごろ、学校からかぶと虫のようちゅうをもらってきました。わたしは家にもって帰りました。なまえはかぶとくんです。 わたしがよかったなと思ったことは、ようちゅうからかぶと虫になったことです。もうひとつは、元気にそだったこと、あとは、いないと思ったけど土にいたことです。ちょっとたいへんだったことは、外にかごをおいていたので虫がわいていて、水があげられなかったことです。 かまってあげるとあばれたり、こわがったりします。けれど、あんまりでてこないのでよくみられません。えさをやるときは、ゼリーをやります。すぐ土できたなくなります。すぐは食べませんが一日ぐらいたつとゼリーがへっています。ふだんは、かごの中にいます。 わたしがいきものをかってみて思ったことは、ようちゅうからかぶと虫になってよかったということです。なぜなら、学校のクラスのみんなに、はやくみせたかったからです。 (文法上の間違いのみ添削後の作文) 二年生の子どもらしい感性で書かれた作文です。絵日記などに比べると、ストーリーや気持ち、場面の説明などがかなりくわしく書かれています。内容をどうするかで困っていないので、楽しみながら書いた雰囲気が伝わってきます。 ふだんぼんやりと感じていることが、スターシートに書かれている質問によって、言葉へと置き換えられます。スターシートを使わなくても、こうした作文が初めから書ける子は、こうした質問をまわりの大人から投げかけてもらっており、そうした考え方のフレームをもともと持っているのです。 スターシートの質問が決まっていると、型にはまるような感じがしなくもありませんが、大半の子どもたちは、自分への質問の仕方を知らないので、質問そのものを勉強して、考え方の練習をする必要があるのです。 スターシートを使って作文を教える時には、そこに記入した段階で、その時の話を繰り返してもらっています。そうすると、またいろいろなことを連想して思い出すので、メモした内容をフックとして、さらにくわしい説明が書けるようになります。メモが埋まらない時は、別の話題で体験を豊かなものに変えたり、「こんなことはない?」とありそうなケースを提案したりします。「大変だったこと」だと、「毎日忘れずエサをやること」などです。すると自然に連想が働くので、「そうそう」と自分の体験を思い出すことができます。こうして質問への答えがやさしくできるようにして、考え方の練習をするのです。 自由が丘の塾 直井メソッド国語専門塾]]>