売れる本はわかりにくい

こんにちは。作文・読解プロコーチの直井明子です。

テストや問題集の問題文として、よく時節的に注目されている著者の本が取り上げられています。誰でも名前を聞けば知っているような一般書のベストセラーの本です。問題を作った人は、話題としては旬なので「良い問題文」として、注目しているのでしょうが、これがなかなかのくせ者なのです。

一般的にベストセラーになる本というのは、読んでいる人に影響力が強いということになります。すると文体はとても巧みに構成されていることがわかります。筆者の意見というのは、主観的な価値観であるのですが、それが一見、意見だとわからないようなレトリックで書かれています。

すると読んでいる人は、あたかも筆者の意見が一般論として正しいことであるという風にとらえてしまいます。それが本を読んでいる数時間のうち繰り返し刷り込まれていきます。読み終わったあとには、すっかり筆者の価値観に酔いしれて、影響を受け、信者のようになってしまうのです。(笑)

それが、読んでいる人の好みであれば良いのですが、問題文であるなら、レトリックを見破っていかなくてはいけません。逆レトリックのわざをかけて、影響力の魔法を解除していくのです。そうすることで、やっと本来の文章の骨子が見えてきます。

そんなに読解が大変な文章は、出題しないで欲しいものなのですが…

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